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第 24 回 『 感染症と共存する時代 』の飲食店 (1)

2021.10.01

 本日、19都道府県に出されていた緊急事態宣言と8県のまん延防止等重点措置が解除されました。
これにより半年ぶりに、両方の措置が何処にも出されていない状況になります。世界中がコロナとの共存の道を模索していますから、我が国も世界潮流から取り残されまいとして、アクセルを踏んで行こうということなのかと思います。ただ、各自治体共いきなりの全面緩和ではなく、一定期間をリバウンド防止措置として段階的に、社会経済活動と日常生活の回復を図るのだそうです。この、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の解除による経済効果は、月6000億円に上るとの試算が第一生命経済研究所から出されています。
 
 飲食店においても本日から、自治体の感染対策認証を受けた店舗は酒類の提供を認められた上、午後9時まで営業ができるようになります。それ以外の店舗は酒類自粛と午後8時までの営業が基本となり、以後は各地の知事が地域の感染状況に応じ、適切判断をすることになるそうです。
認証を取っていないお店は取得を急ぐしかありませんが、何れにせよ長く苦境にあえいできた飲食業界にとって、一筋の光明ではあります。とは申しましても外食を止めてしまった人も有り、新たな変異株の拡大や冬に向かって起きるかも知れない感染第6波を前にして、一度遠のいた客足が直ぐ戻ることは無いと思われます。ましてや、欧米で議論が続いていた新型コロナウイルスの空気感染説が、ほぼ定説となりました。もしこれが我が国でも確定的となれば、なおさらです。

 WHO( 世界保健機関 )の昨年3月までの見解では、空気感染に関して否定的でした。しかし今年4月になると『 エアロゾル( 飛沫核 ) 』という言葉が明記されるようになり、現在は、『 エアロゾルによって感染が起こる 』としています。つまり、空気感染を認めた訳です。CDC( 米国疾病対策センター )も見解を二転三転させてきましたが、今年5月7日のレポートで、『 主な感染ルートの一つとしてエアロゾルを吸い込むこと 』としています。
 我が国でも以前から上昌広医師( 医療ガバナンス研究所理事長 )など一部の研究者が空気感染に警鐘を鳴らしていましたが、何故か尾身茂会長が主導するコロナ感染症対策分科会は、この世界標準を認めてはきませんでした。これに業を煮やしたのでしょう、今年8月18日に38人の科学者と医師が連名で、『 最新の知見に基づいたコロナ感染症対策を求める科学者の緊急声明 』と題し、感染抑止の為、空気感染に主眼を置いた感染対策を政府に求めました。
 詳しくはネットでこの声明 https://web.tohoku.ac.jp/hondou/stat/ をお読みいただきたいのですが( 長文ではありません )、有効な空気感染防止の為にはすきまの少ない不織布マスクの他『 熱交換換気や空気清浄機等を含めた機械的換気の適切な活用が重要となる 』とも書かれています。

 科学は日進月歩していますし今回の新型コロナウイルスによるパンデミックも、SARSの様にいつか終息するだろうとは思います。しかし私は、『 一難去ってまた一難 』という言葉が有りますように、また起きるであろう次のパンデミックの為に、根本にさかのぼった備えをすべきだとも思うのです。
 
 新型コロナウイルスを始め動物を宿主としてヒト感染の恐れがあるウイルスは、現在世界中で85万種確認されています。そして毎年5つ前後の新しい感染症がヒト間で発生しており、その何れもが、パンデミックに発展する可能性が有ったそうです。これらの事実が意味するところは、パンデミックは新型コロナが最後ではなく、また、最悪であるとは限らないということです。
更に、マクロ的に見た場合に新興感染症の発生増加は自然破壊や気候危機、そして短時間での人の移動も要因になるとの観点から、『 今後パンデミックは間欠泉の様に、しかも従前より短い間隔で頻回に起きる 』と警鐘を鳴らす専門家もおられます。
従って、感染力も致死率も高いスーパー感染症が出現してパンデミックに至った場合、もし感染防止の手立てを確立できていなかったとしたら、今度こそ飲食業界が、その息の根を止められてしまうことは必至です。
今や先端科学とスーパーコンピューター富岳を駆使し、根本的な感染メカニズム解明と防止策の確立を、官民を挙げ行うべき時と考えます。

 さて、不備が有りながらも色々と行われた政府による飲食店への対コロナ経済的支援ですが、長年に亘り行ってきた放漫財政がたたり、今後は望み薄となるかも知れません。そうなると、営業で売り上げを伸ばすことで生き残りを図るしか無い為、愛される店作りへの日々の更新と、新たな販売促進方法の模索を実践することが、これまで以上に求められます。
 
 しかし同時に感染症の空気感染も視野に置き、何より先ず安全と安心も商品にしなければ、来るべき『 感染症と共存する時代 』に私達各々の飲食店は、生き残れないとも考えるのです。
次回は、手探りの中とは言え個々のお店が具体的に、安全・安心対策としてどうすれば良いかをお話ししたいと思います。

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