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第 23 回 新型コロナウイルス感染症と飲食店 (3) この難局に打ち勝つ

2020.03.13

 今回の新型コロナウイルス感染拡大を、やっとWHOが、『 パンデミック 』と認定しました。
世界中の感染者数も、日々更新され続けています。感染者数が15,000人を超え死者も1,000人を超えたイタリアでは、薬局やスーパーを除く全ての店やビジネスが、昨日から閉鎖されています。つまり飲食店も、営業ができなくなっているのです。
 日本の感染者数に関しては上正弘さん( 医療ガバナンス研究所理事長 )が、3月10日の参議院予算委員会公聴会において『 日本の感染者数が少ないのは、PCR検査が十分に行われていないからである 』と発言しておられました。無症状の感染者でも、感染源になることが明らかになっています。従って感染拡大が終息するまでには、長い時間を要すると思われます。我が国でも今後、外出禁止措置が取られる可能性を排除できません。最悪のシナリオも想定し、万全の備えをしていただきたいと思います。

 感染の拡大を受け外食産業界では、宴会のキャンセルや売り上げの減少、集客減に見舞われるお店が増加してきました。この深刻な事態への救済策として、厚生労働省を始め経済産業省や各地方自治体等が、補助金・助成金・融資を受け付けています。日本政策金融公庫や中小機構でも相談窓口を設置していますので、諸々の最新情報を確認し上手に活用して、営業継続対策の一助にしていただきたく思います。
私が上記サポートを『 対策の一助 』と申し上げたのは、飲食店が生き残る為にはこれのみでは不充分で、倍旧の自助努力が不可欠だからです。しかも受ける融資は雇用調整助成金と違い、例えそれが無利子無担保であったとしても、必ず返済義務を伴います。

 私達の仕事に求められるものは、お客さんに寄り添い愛情を注ぎ、心温まるホスピタリティーを発揮することに他なりません。その心根が、料理の質まで高めることになります。しかし満席が常態化する様な繁盛店では、流れ作業的な接客や料理作りになりがちなお店も有ったかと思うのです。コロナウイルスの影響でお客さんが減っている今こそ、平生に輪を掛けたきめ細かな仕事に立ち返る、絶好の機会だと考えます。真心を籠め、ここぞとばかりにお客さんに、寄り添っていただきたいと思います。
 コロナウイルスの感染拡大は、いつまでも続くことは無いと考えられています。流行が終息した時にお客さん方は、見せかけではない真摯な仕事のできていた店へ、真っ先に戻って来てくださいます。
また、徹底した衛生管理などこの間に行った努力は、良い習慣となって残ってゆくものです。
 お客さんと一対一で向き合い、心の通った関係を築き、これから続く多難な期間を、是非乗り越えてくださるようお願いいたします。

 平素は行き届かない整理整頓や清掃をするのにも、良い機会だと思います。また清掃や仕込み、開店や閉店にかかる時間の短縮方法も、皆さんで考えるチャンスでもあります。他店で勤務経験のある人財からは、便利な道具や効率的な作業方法の情報も、得られるかも知れません。
全店を挙げ衆知を集めることで、メニュー開発や生産性向上の方策も、ぜひ模索していただきたいとも思います。普段できないことに取り組むことで、人員削減や従業員さんが望まない時短なども、極力抑えることができます。
従業員さんとのコミュニケーションを密にし、良い人間関係を築く絶好のよすがにもなさるようお勧めいたします。

 さて店内での飲食が苦戦する中にあって、軽減税率という追い風もあり、テイクアウトが売り上げを押し上げています。キャッシュレス決済と、ドアの前にお届け物を置きお客さんと接触しない方法を組み合わせられれば、デリバリーもお客さんに安心して利用していただけます。
テイクアウトやデリバリーでは一緒に、衛生管理に万全を期している旨を記したリーフレットを差し上げるようお勧めいたします。そうすることでお客さんは、お店に安心感と好感を持ってくださいます。
その他にも是非色々と、皆様方のお店に合った工夫をなさるよう、ご提案申し上げます。

 因みに最近では、外部のデリバリー業者さんも増えてきました。しかしコロナウイルスが拡散しているこの時期に、衛生管理を不特定の配達員さんに任せることは、私としてはあまりお勧めしたくはありません( 宅急便の配達員さんがコロナウイルス感染者で、営業所が業務停止した事例もありました )。
頼りだったインバウンド消費がコロナウイルスで大打撃を受けたように、どんなビジネスモデルにも、光と影が有るものです。しかしもし導入が必要な場合には、デリバリー業者さんの衛生管理状況を確認なさるなど、慎重な運用をお願いいたします。

 政府による、緊急対策の第二弾が発表されました。第一弾に比べれば前進したかに見えますが、まだまだ充分ではありません。お客さんの心を掴むことを第一義として、創意工夫と自助努力で、是非この難局を乗り切っていただきたいと思います。

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